学生時代からのSF仲間が、有川浩『キケン』が面白い、と。
ロボット相撲大会のエピソードがあるとか、「みんな、機械は好きかあッ!?…工作は好きか、電気配線は好きか、遠隔操作に燃えるかあッ!?…そしてみんな、爆発は好きかー!」 という台詞も出てくるのよ、とか。
有川浩は、『図書館戦争』が出たときにたまたま本屋で見かけて、「こりゃ面白そうだ・・・文庫になったら[E:coldsweats01]読もう」と決めたはいいけれど、その後すぐに「図書館戦争」が世の中ではやってしまって、内容の情報をシャットアウトするのが大変・・・という私にとってはそんな作家さんです。
早く「図書館戦争」文庫にならんかなー。新書でもいいやー。値段よりも容積の問題なのです。
それはさておき、『キケン』。読みましたよ。有川浩を読むのは初めてだったのですが、これは楽しかったです[E:happy01]
以下、『キケン』について、ネタばれにつながるかもしれないので、未読の方はご注意ください。
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新潮社のサイトによると、
危険な奴らが巻き起こす、熱血(?)青春(??)物語。えっ、理系男子って皆こんなにアブナイの?
成南電気工科大学にある、「機械制御研究部」なるサークル。ここは、その活動における様々な伝説や破壊的行為から、「キケン」と称され、忌み畏れられていた。「キケン」はまさしく、危険人物に率いられた特殊集団であり、犯罪スレスレの「実験」を行うことすら日常であった。これは、その黄金時代を描いた物語である。
うんうん、その通りなのです。
しかし、青春物語ではあるのですが、思い出を語って今につなげて感動させる話ではありません。
あとがきにあるように「どうやら老いも若きもすべての男子は自分の【機研】を持っています。」ということが、自分の中にもあるんだということ。それを私にも感じさせてくれたからこそ、楽しく読めたのだと思います。
SF仲間で遊んでいたのはもう四半世紀も前のことですが、今でもこの本を教えてくれるあたりの感覚は(教えてくれたのは女子ですけど)【機研】に通じるものがあると思ったりします。
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紹介してくれたSF仲間からリクエストされた「ロボット相撲大会」エピソードの解説です。他のエピソードもそうですけど、とてもリアルな話になっています。
「既にして歴史の長い先発イベント」として話の中に出ている全日本ロボット相撲大会は書いてある通りブルドーザー型のロボットが文字通りガチンコ勝負をする大会です。1989年からはじまり、とてもメジャーな大会です。
規格は20cm×20cm以内で3kg以下です。これも話の中にありますが、以前は10kg級もありました。
書いていないことというと、土俵が鉄板で、ロボットの底面に磁石を付けても良いので、重量にすれば何10kgにもなっています。逆にいえば、それだけの重量のものを相手にできるだけの攻撃力が必要な大会です。
で、二足歩行ロボットのバトル大会は、もっとも大きなものがROBO-ONEです。これは、第1回が2002年です。当時は、かなりの技術を持った限られた方しか参加できませんでした。キットもありましたが、どちらかといえば研究者用で、価格も数10万円していました。
一般に広まってきたのは、2004年に近藤科学がKHR-1というキットを12万円という超低価格で発売してからです。私もこれで2005年から始めました。
「遠隔操作式」が「操縦者のテクニックも勝敗の大きな要因となる。」のもその通りで、子どもが操縦するロボットにはかなわなかったりします(^^;。
「3kgなら個人製作でもかなり凝れるのだ」ですが、私がOBCONで披露したキャッチボールができる二足歩行ロボットは2.6kgでした。
お金はそれなりにかかります。OBCONで披露したロボットは、なんだかんだと40~50万円くらいですかねぇ。
もちろんオトナでもお金をかけないで高性能のロボットを作る方もいますが、一般的に言って、学生チームがおいそれと出せる金額ではありません。なので「趣味に金の糸目をつけないオトナのプライベートチームが必然的に有利になる。」わけです。
しかし、学生チームは、3交代制で24時間体制でロボットを作りこんだりします。それを聞いたオトナは皆うらやましいと思ったものです。
3.5kgのロボットを3kgに減量する話。
そのためには、ロボットを支える基本的な部品(フレーム)に穴をあけたり、余計な機能のための専用部品を外すことになります。
フレームを削る場合、まぁ、趣味レベルでは、強度計算や構造設計のやり直しまではやりません。そもそも一から作る時もカンだったりします。カンが外れると動かしたときに曲がったり折れたりします。もちろん、ちゃんと設計して作る方もいますけど。
「寝技系はいらないよな。」「スライディングとか」そうしたモーションを基本機能に必要な関節(モーター)だけで実行できていれば外す部品もないわけですが、そのモーションのためだけに関節を作っていたりした場合には、外せることになります。
いずれにしても、「重心の取り直し」というか、動作の際のバランスが崩れることはよくあるので、動作モーションの見直しは必要になってきます。
ソフトの処理速度が速すぎてメカが耐えられなくて壊れる、というのはあまりないかなー。ソフトの処理が速すぎるとメカがついていけなくて動かない、ということはあります。
メカが動かせる上限に近い速さで連続動作を繰り返したり、負荷がかかった状態が続くと、サーボモーターから煙が出て壊れることはあります。とてもいいにおいがします(^^;。
「ゴールドライター号」、「チーム・メカ次元」・・・「まぁ、私たちの年代ですとねぇ」と言ってることからすると、このオトナのチームメンバーは私よりちょっと若い世代ですね。
ところで、山形でゴールドライタンやってましたっけ? 私、名前は知ってても見たことないんです、このアニメ。
ふくらはぎから剥がれた外装が倒れて滑り止めになる・・・いやぁ、いいですね。ROBO-ONEではルール違反になると思いますけど、これは実際にどういう機構で実現してるのか見てみたい!
メカが目立つ破砕音を立てて壊れることはあまりありません。フレームはだいたい1mmから2mmくらいの板金を曲げてコの字型にしたりして作るのですが、バキっと折れるというよりは、曲げ部分からひびが入って壊れることが多いです。
あと、サーボモーターのギヤの歯が欠けたりすると、その関節がブラブラになって、見た目の動きもかなり痛々しいものになります。
「タイミングベルト」 うわっ、それは高度なメカです。それ以上、解説できません(^^;。
「モーター焼きつく」 サーボモーターの場合、モーター部分そのものが焼きつくより先に、内蔵されてる回路に大電流が流れて基板が焼けちゃうことのほうが多いです。煙が出ていいにおいがするのは、そういうときです。
この応急処置をして試合を続ける、というのは、よくあります。ROBO-ONEの控室ではよく対戦するかもしれない同士でお互いを助け合ったりしています。
二足歩行ロボットの大会の場合、そういったところはお互い同じ趣味の仲間的なつながりが強い感じがします。
最後の「Ctrl+Alt+Delete」技には、憧れますねー。
しかし、小技では崩せないほどの重心の低い相手を倒れさせるだけの力を生みつつ、周囲に危険が及ばないようにするには、やはり、上野のような長年の経験がないとできないでしょうねぇ・・・。
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かなり調子に乗って長々書きましたが、『キケン』のことを教えてくれた仲間に感謝して、終わりたいと思います。ありがとう。
(このお札、赤く塗って、3倍にならないかな・・・。)
うあああ。これで私も「ポチ」しなくちゃならなくなった~。
(読みたい読みたい読みたい)
わ~い、念願かなって解説付きです!!
やっぱりやっている人ならではの面白さがわかって頂けて(私は想像するしかないですが)、嬉しさ倍増♪今夜また読み直すのです~。
赤く塗って3倍ってどういうことですか?
調べてもでてこなくて・・・
あさん
コメントありがとうございます。
えーと、ここがわかりやすいかなと思います。
http://dic.nicovideo.jp/a/%E9%80%9A%E5%B8%B8%E3%81%AE3%E5%80%8D