この一週間、第24回(2003)日本SF大賞受賞作品の冲方丁「マルドゥック・スクランブル」を少しずつ読んでいた。上質のエンターテインメントだと思う。
文庫本で全3巻。文庫本の帯には「少女と敵と武器についての物語」とある。少女娼婦バロットと敵のボイルドとネズミ型万能兵器のウフコックについての物語・・・と単純には言えない・・・いや言ってもいいのかもしれないが。
ページ数にして約1000ページ。最近の文庫本は字も大きいし1000ページが長いとは思わないのだけれど、読了感は300ページものという感じ。そうとう暗い部分もあるけれど、変に社会的な深みを持たせようとせず、話を先へ先へと進めていく。そこには読者を作者の都合で立ち止まらせない快適さがある。
この作品を国内編のベストSF第1位に選んだ「SFが読みたい!2004年度版」を本屋でぱらぱらめくってみた。後半のカジノのシーンでさめてしまうか、そここそSFだと感じるか、の違いで評価が分かれているようだった。
僕が読了して再度読み直したいと思ったのは、カジノのシーンだ。そこには、子供の頃SFに感じたひらめきみたいなもの(センス・オブ・ワンダー?)を感じ取ることができた。そこに至るまでのドライブ感は溺れてしまいそうなくらいだから、それに押し流されないように、呼吸を整えながら・・・。
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■マルドゥック・スクランブル—The First Compression 圧縮
■マルドゥック・スクランブル—The Second Combustion 燃焼
■マルドゥック・スクランブル—The Third Exhaust 排気
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